ヘアケアマイスターKOU(ヘアコウ)が、頭皮&シャンプー&トリートメント等々、日ごろ気になるけど、誰に聞いていいかわからない事を、できる限りお答えする、お悩み相談講座です。
詳しく書きすぎて、マニアックになるかもしれませんが、ヘアコウの考えをバシバシ書いていきます。
<相談>
最近シャンプーのCMでノンシリコンが良いと言っているけど、結局は何を使えばいいの?
ノンシリコンだったら何でもいいの?
シャンプーを選ぶポイントを教えて!!
<ヘアコウ>
シャンプーの第一番の目的は頭皮の汚れを落とすことです。次にシリコン(容器の裏の成分表にはジメチコンとか~メチコンと書かれている事が多い)とは油分のことで、髪をコーティングし、指通りや手触りは良くなり、ツヤ感も出るトリートメントによく入っている成分です。しかし、それがシャンプーに入っていると、汚れを落としきる前に髪も頭皮もコーティングされ、毛穴をふさぎ、炎症や、臭い、ベタベタ感、髪が細くなったりと、頭皮&毛髪トラブルが起こりやすくなります。
最終的に髪をコーティングしていたジメチコンが剥がれる時に髪のキューティクルも一緒に剥がしてしまう恐れもあります。
なので、シャンプー剤にはジメチコンの張っていないノンシリコンシャンプーで汚れをきれいに落とすのをお勧めしているのです。
しかし、ノンシリコンシャンプーが全ていいのかと言うと、そうでもないのです。
成分表には界面活性剤の種類等が、配合量の多い順番にかいてあります。
そこの部分にラウリル硫酸、ラウレス硫酸、スルホン酸等書かれているのは、洗浄力が強く、食器用洗剤等にも使われているものなのであまりお勧めできません。女性の場合、髪の傷みが気になっている人、男性の場合、髪が薄くなってきている人には刺激が強すぎます。
他はオレイン酸、ヤシ油脂肪酸などはいわゆる石鹸なので刺激が強く、スカム(石のようなもの)を作り髪が硬くなるのでこちらもお勧めはできません。それ以外のものだったら、OKなのでシャンプーを選ぶポイントはノンシリコンシャンプーで、裏の成分表に、ラウリル、ラウレス、スルホン、オレイン、ヤシ油脂肪酸と書かれていないシャンプーを選んで使ってください。
でも、例外でラウレス酢酸だったら、ラウレス硫酸とは違い、酸性石鹸系なので、アルカリ石鹸より刺激が緩和されていて大丈夫です。
後、PEG-3ヤシ油脂肪酸アミドMEA硫酸Naも、石鹸ではなくアシルメチルタウリン系に構造が似ているため、刺激が弱くなっており大丈夫です。
<相談>
美容室でシャンプーをするとスッキリするのに自分で洗うとスッキリしないのは洗い方が違うのですか?
<ヘアコウ>
美容室でシャンプーをするときは最初の濡らしをすごくしっかりとしています。
目安として1分以上がいいと言われています。
しっかりすすぐ事で、頭皮の80%の汚れが落ちると言われています。
それからシャンプーをすることで、地肌の泡立ちが良くなり、汚れが落ちやすくなります。
意外と自分では泡立っていると思いがちですが、鏡でよく見てみると髪の毛が泡立っているだけで、地肌は泡立っていない時があります。
地肌の泡立ちが悪い時は一度流してもう一度洗わないと泡立ちません。
洗うときは、爪を立てずに指の腹でもむように頭皮が動いているのを感じながらマッサージする感じで洗って下さい。
実は頭皮をしっかり洗っても、髪の毛はゴシゴシ洗ってはいけません。ダメージにつながってしまいます。
すすぐ時に毛先にも絶対流れていくのでそれだけで髪の毛はOKです。
そしてすすぎの時もしっかりと時間をかけて根元の泡を流してください。
頭皮にシャンプーが残っていると、せっかく洗ったのに、逆にフケやかゆみ、脂っぽくなってしまうことがあり、頭皮に良くありません。
ポイントは、よくすすぎ、よく洗い、よくすすぐ事です。
たまにその後のトリートメントを毛先だけでなく、根元からつけ過ぎていて、それが毛穴につまり赤く炎症を起こしている状態の人もいらっしゃるので、気を付けてほしいです。
<相談>
夏に海に行って髪がバサバサになるのはなぜ?
どうすればいいですか?
<ヘアコウ>
夏はまず紫外線が強く、浴び続けると髪もやけどをしてしまい、キューティクルが損傷を受け、はがれやすくなるのが1つの原因です。
また、髪のメラニン色素を攻撃するので少しづつ髪の色が変わってしまいます。
そして、もう一つの原因が、海水のpHがアルカリ性のpH8.5だからです。
これは、パーマ液と同じpHなのです。髪の健康な状態のpHは弱酸性のpH4.5~5.5なので、髪が海水につくと、その瞬間にキューティクルが開き、髪の栄養が抜けていくことになり、それと同時に染めた色も抜けたり、パーマもとれやすくなったりしています。
ですが、そこを気にしすぎたら、せっかくの海が心から楽しめなくなってしまいますので、頭の片隅に知っておく程度で覚えておいてもらえればいいと思います。
対策として、まず、髪に紫外線対策の整髪料をつけ、髪をお団子等にコンパクトにまとめ、髪が海水につかないようにすることが重要です。
そして、最後にシャワーで海水を流した後に、トリートメントをつけて揉み込むとアルカリに傾いた髪のpHが弱酸性に戻るので、少しは良いコンディションに戻ります。
そして、海を満喫した夏が終わったら、、美容室へ行って海で痛んだ髪を本格的なトリートメントで髪の中身から補充していただくのがべストです。
<相談>
髪のダメージに気をつけたいけど、何がダメージになるのかわからないので、詳しく教えて!!
<ヘアコウ>
まず、ヘアカラーや、パーマ等の薬剤によるケミカルダメージがあります。
ヘアカラーやパーマをされた方に絶対にあるダメージです。
アルカリ剤や還元剤等の成分によりキューティクルが剥がれ、毛髪内部の間充物質などが流出してしまうのが主なダメージです。
これには美容室でのトリートメントが必要不可欠です。
アクレスではヘアカラーやパーマをされた方にはトリートメント込でさせてもらっているので安心です。
次に、紫外線によるダメージです。(他のところに書いてありますので省略させていただきます。)
次に、アイロンやコテ等の熱により髪がたんぱく変性を起こしてしまうダメージです。
キューティクルが熱により固められ、毛髪内部のたんぱく質も固まってしまいます。
例えるなら、生卵をフライパンで焼いて目玉焼きを作っているようなものです。アイロン前に保護してくれる整髪料をつけ、温度は低めにして、止まらずに動かし続けることがポイントとなります。もちろん毎日してもいけません。
次に、シャンプーやブラッシングをしている時に、髪が絡まったり、指に引っかかって力任せにに引っ張った時や、ブラッシングし過ぎの摩擦によるダメージで、キューティクルが剥がれてしまいダメージにつながってしまう、物理的なダメージです。
優しく触ることや、毛先が絡んでいたら、毛先からそっと梳いてあげましょう。最後にぬれた髪を乾かさないダメージです。
これも物理的なダメージです。髪は引っ張るとキューティクルが開き、髪の中の水素結合も切れ、弱い状態になります。
その時に髪を引っ張ったりすると伸びてちぎれやすく、また、そのまま自然乾燥しても水素結合は元に戻りますが、キューティクルは開いたままで、寝たりすると髪の毛どうしの摩擦でキューティクルが剥がれていってしまい、枝毛にもなりやすくなります。
なので、ドライヤーで乾かすことが重要です。
熱でキューティルは閉じ、強い髪になってダメージしにくくなります。ただし乾かしすぎには注意です。
髪のベストな水分率は11~14%です。それ以外はキューティクルが開いていて弱い状態です。
アクレスではベストな乾かし方を伝授しているので、どしどし聞いてください。
<相談>
時間が経つと毛先がごわついて絡むのですが何かダメな事はありますか?
<ヘアコウ>
髪は通常、健康毛で11%~14%の水分があることで潤いを保っているのですが、傷んだ髪はキューティクルが開いており、その水分調節が出来ていないため、時間が経つと水分がなくなっていきごわつく原因になります。
朝、毛先がバサバサなのもそれが原因の1つです。
解決方法として、毛先を少し濡らしてから、流さないトリートメントを薄く塗ってしっかりと乾かすと、パサつきもなくなりしっとりします。
自然乾燥はキューティクルが開いたまま乾いてしまうので、やめたほうが良いです。